水色の写真館

暮らしの雑文

2018-04-01から1ヶ月間の記事一覧

近世の日蓮教団の動向(不受不施,檀林,法華信仰・守護神仰)

日蓮宗は,明治9年の「日蓮宗」という宗派名公称以前は,法華宗・日蓮法華宗と呼ばれていた. 日興が去ってから,身延の中心は日向,日朗,日昭は関東に広く普及し,特に日朗は池上本門寺を中心に勢力を拡大した.また日常は下総に拠点を構えた.日朗の流れ…

日蓮聖人入滅後の門流の動向について

日蓮教団系譜図 日蓮聖人入滅から中世の時代(初期門流の動向) 日蓮入滅*1後の教団組織は身延山にある聖人の廟所(墓所)の五輪塔を中心に図られた.六老僧(日昭,日朗,日向,日興,日持,日頂)を中心とする直弟子たち(18名)が毎月輪番で廟所を守るた…

日蓮聖人の教え - 人間観

仏教の目指すものは,自己が自我を克服し悟りの境地「涅槃」を目指すものである.一方,聖人はまず社会,国家に目を向け,立正安国の答えを『法華経』に不退転の信仰をもって向かい合いそれを求めた*1.社会がよくなるためにはどうしたら良いか,そのために…

大乗仏教思想

「仏教学」とは,思想史(釈尊が説いた教えが,歴史においてどのように解釈されていったのか)に学ぶことである.紀元前後に起こった大乗仏教思想の基本的概念とその代表的経典を議論する. 大乗仏教の特徴は,貨幣経済など時代の変化・要請に対して民衆の教…

仏教の根本思想

根本思想(釈尊の真意),時間と空間を超えて不変で有り続ける教えとは何か. 釈尊の教え(悟り)は,「自己」自身に依り,諸々の従属*1や他の神による自己影響から離れて自己実現*2出来る唯一無二の教えである. その教えは,シッダールタ*3比丘が菩提樹下…

天台の教え(五時)

三照譬,五味譬,長者窮子喩 天台大師は,印度から渡ってきた膨大な仏教典類を分類・整理するため,化法の四教・化儀の四教の「八教」と「五時」の教判を説いた.「八教」の教判が,釈尊一代(50年:成道30歳〜入滅80歳)の説法の内容・形式(薬・処方)を分…