水色の写真館

暮らしの雑文

ツーリズムの意味するもの

ツーリズムにふと思う。
 
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Wikipediaによると、
特に近年、「観光」という用語に物見遊山的な、あるいはビジネス的・事業的なニュアンスを感じる場合、あえて「観光」を用いず「ツーリズム」という用語を充てることも増えてきた。原義であるtourは、ろくろで回すという意味があるとされ、そういう意味では「周遊」に近い概念と言える。ただ、今日では「ツーリズム」は、「観光」とイコール、さらに広義では業務も含む「旅行」そのものと解釈されている。

しかし、近年はツーリズムという言葉は特に観光業者の間では特別なものと認識されることも増えてきた。かつての物見遊山的な観光をサイトシーイングとして昔の物とし、ツーリズムとは体験型観光として位置づける動きが強まっている。そして、ツーリズム自体もその特性によりさまざまな言葉を付加して区別している。環境に配慮したツーリズムをエコツーリズム、自然特に山や森などを扱うツーリズムをグリーンツーリズム、自然特に海を扱うツーリズムをブルーツーリズムと呼んだり、地域独自のツーリズム名が生まれたりしている。

物の豊かな時代になって、人々の行動は心の豊かさを、あらためて人と人とのつながりを求めているように感じる。

同じ価値観や体験を共有するコミュニティ活動やそれにともなう飲食は以前にもまして増加しているようだ。

そこには、8時○分~17時○分まで効率性を追求し、職場のコミュニケーションや飲みニケーションがすべてであった工業化社会から次の社会へ変わっていく時代が大きな背景としてあるのだろう。

「これからの時代、組織の交際よりも個人ベースの付き合いが多くなるでしょう。ボランティアや地域/学生時代の友人、趣味仲間、これら組織の外とのコミュニケーションが大切になる。そして利害を超えた人と人とのコミュニケーションを通して、私たちは知識を広げ、豊かな人生を送ることができる。」なんて6年前に書いたのは自分だった。

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そうだった。若い方には理解できないだろうが、おじさんたちは工業化社会から抜け切れないのだ。

P・F・ドラッカーは「ネクスト・ソサイエティーは知識社会である。知識が資源の中核である。働き手の中心は知識労働者になる。知識は簡単に移動するものだ。そのため社会にはいかなる境界線もなくなる。また知識は誰もが教育で得られるため、誰もが成功する可能性を手にする。しかしそこには勝者と敗者が生まれる。こうしてネクスト・ソサイエティーは競争の激しい社会となる。例えばITにより知識は瞬時に世界中に伝わるようになった。そして消費者は何をどこでいくらで手に入れられるかを知るようになった。」

未来学者アルビン・トフラーは「経済の大変革を理解するためには、こうした「時間」、「空間」、「情報(知識)」の3つのファンダメンタルズの変化に加え、貨幣経済だけでなく非貨幣経済(お金に基づかない経済)にも目を向けるべきだと唱えていた。

プロシューマー(生産消費者)が作ったOS「リナックス」がマイクロソフトの「ウィンドウズ」を脅かしている。このように非貨幣経済の活動が広がりが従来の貨幣経済に影響を及ぼすようになってきた。今後はこの2つの経済の相互作用によって、新しい「富のシステム」が構築されることになる」と。

旅行という商品は、非必需品である。

いかに心揺さぶるツーリズムを提供出来るのか、そこには非貨幣経済の、無償の活動の作用が必要なのだろう。