水色の写真館

暮らしの雑文

初転法輪・仏教成立

梵天勧請

 釈尊は成道,覚りを内に秘めてそのまま涅槃に入ろうとしたが,バラモン教の神梵天が,その悟りを他に説くよう勧め,釈尊は自身の涅槃の境地だけではなく説法を決意した*1

初転法輪」の教え(他を指導教化するための教え)

・中道の教え(偏執的妄執にとらわれることなく自由(あるがまま)な状態に自身を置くことの実践,正しいとは離辺「正は中なり」)

四諦の教え(因と果を明らかにした四つの真理「正は等なり」)
「苦諦*2」迷いの生存(現実世界の在りよう)は苦である(行苦)という真理.
「集諦*3」欲望の尽きないこと(渇愛)が苦を生起させているという真理.
「滅諦*4」苦を滅することが欲望のなくなった理想の境地であるという真理.
「道諦*5」苦滅にいたるためには八つの正しい修行方法(八正道*6)によらなければならないという真理.すなわち,①正見:正しく法(ありのまま)を見る,②正思:正しく法を思う(思惟),③正語:正しく法を語る,④正業:正しく方を行う,⑤正命:正しい命に生きる,⑥正精進:正しく戎律を犯さぬよう努力する,⑦正念:正しく法を念ずる,⑧正定:正しく心を集中して安定させる

四法印諸行無常諸法無我涅槃寂静一切皆苦

五蘊(ごうん):現象世界を構成する5つの要素

 色(=肉体)・受(=感覚)・想(=想像)・行(=心の作用)・識(=認識・意識)

・無我:自己存在が絶対性として存在することはないという洞察.

 仏教の最も基礎的な現実認識論

 以上が五比丘に語った「初転法輪」の教えであったという.

 初転法輪」の意義

 「初転法輪」によって,五比丘たちは弟子となり,最初のサンガ(僧伽(そうぎゃ))が形成された.これにより三宝(仏,法,サンガ)が整った.これは,仏教成立とも言いかえることが出来る.
  そして釈尊の教え(法の説き方)は,教える相手(聴聞者)の能力・性質に応じた「対機説法*7」であった.

サンガの役割

(1)在家集団の形成による経済的な運営基盤.
 仏弟子と在家者をつなぐ優れた出家者組織であるサンガは,富豪な商人など有力な在家者を獲得した*8
(2)結集による三蔵の成立.
 釈尊入滅により,釈尊の言葉を忠実に編集するため,仏教サンガが結集し,金言である経と律と論の編集がおこなわれ,仏教の伝播がなされた(可能となった).
(3)仏教の発展・分裂,維持装置としてのサンガ.
 サンガはその律を場所や時代により改変していくことにより,分裂・拡張し世界に伝播し次代に伝える役目をなした.

f:id:noginogikun:20171228132613j:plain

*1:当時インドで最高の神ブラーフマンに請われて教えを説いたとすることで説法開始(初転法輪)を権威づけたのであろう.

*2:四法印一切皆苦・・・苦(果)

*3:四法印一切皆苦・・・集(因)

*4:四法印涅槃寂静・・・滅(果)

*5:四法印涅槃寂静・・・道(因)

*6:中道の具体的な実践方法のこと.快楽や苦悩など,両極端を避けること,極端にとらわれない実践.

*7:「応病与薬」とも呼ばれている.人それぞれに自分の「中道」がある.

*8:仏教サンガの経済基盤は供養(お布施)だけ.生産活動は一切禁じられている.